
私は家内と何度も屋久島に行っていますがいつしか「行く」と言うより「帰る」と言う方が自然になってきました。
よく人に聞かれます。「屋久島は暖かな島なんでしょうね…」
毎回答えるのに一苦労します…

私と家内にとって屋久島は見る所でもなく、住む所でもありません。
もう既に数え切れない程、帰っていますが今だ山の上の縄文杉を見ていません。

私たちが屋久島に行くようになったのはやはり「世界自然遺産登録」がきっかけでした…
しかし屋久島には私が美容師の時の先輩が住んでいることを知っていました。

先輩とはいえ20年も前に1年半ほど教えてもらった人でそれまで全く音信不通状態…
頼りになるのは一枚の電話番号のメモだけ…

20年ぶりに電話をした所で「誰だっけ…」って言われたら少々落ち込むであろうと思いつつ電話をしてみました…
電話に出た人は全く違う人…

「やはり連絡は取れないかな」と思いきや…せまい島で妹の事を知っていました。
町役場に努めている…

ようやく本人と連絡が取れ、宿の手配もしてもらい行く事になりました。
それまで私も屋久島を全く解っていませんでした…

屋久島に行くルートを飛行機を使わないで電車と船で行く事になりました。しかも寝台車…
東京→熊本→鹿児島→屋久島。何と20時間…
(※飛行機で行けば2時間少々で行かれます)

実は私の先輩は女性です。結婚をして名字も変わり、4人の母親でした…
船を出迎えに来てくれたのは妹さん…空気がとても新鮮です。

20年ぶりの再会と言うのに家には誰もいません。
島の人は家に鍵も付けず出かけます…

先輩の旦那さん(長野さん)は海に潜り「磯もん」と島で言う貝を採ってきて料理してくれました。
島の味付けは少し甘め…美味しいです。

次の日屋久島の名所を車で案内してもらいました。
そこで私たちが目にしたもの…ここから私たちの屋久島の始まりなのです…

島の外周がメインストリート…人の歩いている姿は殆ど見られません。そして別段特別な島には見えませんが…
長野夫妻は私たちに屋久島の名所をガイドしてくれます…メインストリートを曲がり山に向かうと…

そこには別世界が広がります。都会暮らしの私たちには目に入るものみんな新鮮に映ります。
海・山・滝・川・屋久杉・ガジュマル・屋久ザル・屋久シカ・数々の植物…

目にする景色がみんな良く見たくて直ぐに車を止めてもらいます。長野夫妻もあきれ顔…

初めて屋久ザルを見つけたときは大変でした。車を止めて見いっていました。

島のあっちこっちを案内してもらい、夜は長野さんの海から取ってきた磯もんとバーベキュー…

屋久島の時間はゆっくり流れていきます…長野さんはお酒を飲みながら寝てしまいました。

私たちが屋久島に滞在している間、長野さん達は私たちのガイドをしてくれました。
見るものが余りに綺麗なのでついつい同じ所に時間をかけてしまいます。
私たちが足元の苔に見とれている横を苔を踏みながら足早に歩いていく観光客をよく目にします。

私たちは思いました。世界自然遺産として見に来る人達は何を見に来るのだろうか?
皆縄文杉や滝等を見に来るのだろ…
しかしこの島の好さはそんなもんじゃないと思います…

この島に住む人達にとって世界自然遺産等と言うものはあまり関係ないように思えます。
サルにしてもシカにしても皆、この島の一部なのです…

自分の家に鍵をかけないのも島の人柄です。私たちはこの島に何度も訪れていますがまだ一度も縄文杉を見に行っていません。海にも潜っていません。
いずれ何年か先には会いに行きたいと思います。それまでまだまだ島の好い所を吸収します…

屋久島に何度も帰り、自分達の作るテラリウムの参考にしてきました。そして自然が簡単に作り出すものをまねるだけでも大変な事に気づかされました。

屋久島は私たちにとって第二の故郷です。この島は本当に良い所ですが、2,3日のツアーで行く所ではないような気がします。
よく世界中旅をして自慢する人がいますがどれだけ行った所の事を解っているのか…

私たちも色々な所に行こうと思いますが、帰るところは屋久島と決めています。
そして日本にはまだまだ好いところが沢山あります。先日鳥取に行った時には富士山そっくりの山があることにおどろかされました。

まだまだ私たちは屋久島の100分の1も解っていないのでしょう…
しかし島にいるときは自分らしい事に気づきます…

島の人たちはとにかく私たちを自然にもてなしてくれます。変に気を使ってくれないところが心地よいのです。

少し島のよさの意味が見えてきました…それは都会の誰もが探している物…

屋久島にはデパートも映画館もありません。その代わり自然の中にいる感覚を常に感じられる…

九州最高峰の宮之浦岳等高い山に降る雨は激しく、滝のごとく川を流れます。

少し強めの雨が降るときはそこらじゅう自然の滝が見られます。濁流は茶色に濁りそのまま海に注ぎ込みます…

その一部始終を車で見ながら山を降ります。少々危険な感じを受けながら…

たたきつける雨は都会では中々見られるものではありません。傘など無意味で合羽(カッjパ)にあたる大粒の水滴は痛みすら感じます。

海に注ぐ濁流を横目に車を走らせおよそ1時間…後方に雨のようすが伺え上方には鮮やかな虹がかかります。島の南まで来ると強い日差しが迎えてくれます。

山の上から2時間も経たないで自然の総てを見たような気がします。これが屋久島なのです。

普段綺麗な水は常に自然のメンテナンスから成り立つのです。どんなマニュアルを読むより勉強になります。

私たちは山のあるところにお気に入りの場所を発見しました。苔むした岩肌にすだれのごとく落ちる水滴…これが私たちの求めていた本物…

その場所に自分達で名前を付け毎回見に行きました。そこは季節ごと、雨の多さなどで毎回違う表情をみせてくれます。

しかし昨年見に行った時にはその表情は消えて…

きっとまたいつか出会える事と思います。私たちの脳裏にはしっかりと焼きついています。すだれのごとく落ちる水滴…
テラリウムに再現しようとしてもやはり難しい…

西部林道は島の人はあまり車で通りません。しかしそこがまたしびれるほど良い景色なのです。サルも屋久シカもくつろいでいます。
時には道をふさぎ私たちが遠慮しながら通らせてもらいます。

屋久島に限らず若い人達は都会に出たがります。私はおおいに都会を見るべきだと思います。そしていかに自然が素晴しいかを解ってもらいたいと思います。

島の人達は商売が下手です…屋久杉ランドや白谷雲水峡は入場料300円程度です。滝等はみんなタダ…
それも島の良さ…

こんなに良いところなのだからもっと高い料金を取りその費用でもっと自然を守る努力をしてもらいたいと思ってみても…

自分達の住む島がとんでもなく良い所であることを知らないそれも島の人の良いところ…

結局まだまだ答えが出てきません…しかし答えを出そうとする事自体不自然…

あっ!そうそう今だ海がめの産卵も見ていない…以前夜中まで待ったのだが上がってこなかった…
子供が海に帰る姿も見てみたい…

私は屋久島で色々学ぶ…そして自分の仕事からも考えさせられる事がいっぱいあります。

地球上に住むのは人間だけでなく…色々な国や地域…総てを理解しようとするのではなく…
常に自分のレベルを上げる…

それは地位や名誉ではなく誰かを心から愛し…
自分達が幸せであり、それを他の人達と分かち合う事…

まだまだ人にどうのと言えるレベルではない…だからとりあえず自分が楽しむ…屋久島で…

自然や動植物総て吸収して何かを学びます…

私の屋久島を見て行ってみたいと思う方、自然な気持ちで行って見てください。決して何かを期待しないで…

屋久島で目を閉じて感じられる物がすてきなのです。

屋久島に住んでる皆さんへ…島の管理と自分の健康管理はお願いしますね…

また来月にでも帰ります…今度は飛行機で…

でもやはりマイカーが最高でした…東城の技術は屋久島と家内から学びました…

テレビの「ソロモン流」ロケで又屋久島に来ました。

やはりカメラクルーが後から付いてくると…

何を見ても…何となく…

落ち着きません…